2. かまどで調理されたもの:人は地域の自然の恵みを食べていた

 
この家が建てられた江戸時代、多摩地域では、こんなかまどでどんなものが料理され食べられていたのかな・・・?


 
多摩地域の主食は米だけじゃなくて、麦、あわ、稗(ひえ)、蕎麦(そば)なども食べていたよ。
麦は水車を使って石臼で粗く挽いた 「挽きわり」にして、通常は米3合に挽き割り7合で炊いた飯を良く食べていたよ。挽きわり麦を作るときに出る麦の粉も、団子にして食べていたんだって。
時には、米、麦、あわを混ぜて炊いた飯を「三色飯」と呼んで食べてることもあったよ。
飢饉(ききん)の時には、普段はあまり食べない稗(ひえ)をしまっておいて、食べたんだって。
 
もう一つの主食はいも類。
えごいも、さつま芋、やつがしら、里芋などを食べていたよ。
さつま芋は乾燥し粉にして、「さつま団子」にして食べたよ。
 
副食(おかず)の材料は畑で採れた大根、人参、ごぼう、里芋、なす、さつま芋、きゅうりなど。その他、豆腐、油揚げ、こんにゃくなんかもよく食べたよ。
 
三度の食事は、味噌汁、野菜の煮つけと漬物が主流。
調味料として塩、味噌、醤油、砂糖。
味噌は豆や麦を使ってそれぞれの家で作っていたよ。
 
魚類はいわしの丸干し、目刺、 干物、塩鮭、塩鱒などをよく食べた。
もちろん、海の魚はこの辺りではとれないから、日持ちがするように加工(干物とか塩漬けとかに)されて運ばれてきたものを食べていたよ。
 
多摩地域ではとれない塩や魚類以外は、近隣の畑でとれたものが主流。
まさに、自然の恵みがこのかまどに集められ、煮炊きされて朝昼晩、食べられていたんだね。